終了。福島第一原子力発電所の今と福島の人びとの思い(東日本大震災の風化を防ぐプログラム2024「福島の声を聞く」① 当日のまとめ掲載

6月8日(土)に行った「福島第一原子力発電所の今と福島の人びとの思い(東日本大震災の風化を防ぐプログラム2024「福島の声を聞く」①」では、講演者に、菅波完(すげなみたもつ)さん(高木仁三郎市民科学基金事務局長)と市村高志(いちむらたかし)さん(TCF: Tomioka. Connection. Fellowship共同代表)を迎え、いま福島第一原子力発電所で起きていること、原発や東電に対して福島の人がどのように思っているか伺いました。

このプログラムを通して、参加したみなさんで、つぎのことを共有しました。

・福島第一原子力発電所の事故はどうして起こったか。
・放射能汚染水(ALPS処理水)とは何か、なぜ、発生しているのか。
・いま福島第一原子力発電所は、コントロールできていない状況である。
・できないことはできないと認めるべき。
・福島第一原発を30年~40年で廃炉にして更地に戻すことは、技術的にも社会的にも無理ではないか。
・政府と東電の「中長期ロードマップ」は、見直しが必要ではないか。
・デブリを取り出さずに安定的に管理していき、取り出せるようになってから取り出してもよいのではないか。かなり長い時間がかかる。時間軸で考えた方がよい。
・何が原発処理の費用なのか。賠償は、するべきことはほとんどしていない。いったいいくらかかるのか。国や東電を待つのでなく、何にお金をかけるべきか、一般の人が踏み込んで考えた方がよい。原子力産業の特需になっている。本来賠償にあてるべきものが、他の原発稼働にまわっている。市民が監視して、声を上げることが必要。

・強制避難をすることになった福島の人は、生活の場が警戒区域になって、入ることもできなくなり、生活は奪われ、家は更地となって「おうちのお墓」になった。代々引き継いできた土地も何もかもすべてを捨てることになった。
・ゼロにして返してほしい。お金ではなく返してほしいと思っている。しかしできないのだろう。
・今のこの状態は、だれが求めた復興なのか。
・「がんばります。」と国はいうが、ほんとうはできないのではないか。
・東京電力と国に対する怒りを感じる。
・「不安」と言うと風評加害と言われる。わたしたちは被害者なのに。批判をしているわけではなく、質問をすることが、「加害行為」と言われる。
・国と東電には、責任を果たしてほしい。30年後といったのは、国と東電であって、住民ではない。
・ここに集まって来られた方は関心のある方、歴史として受け継がれていることを感じるが、現実である。生きているうちに解決できないことはわかっている。現実と受け止めて、責任取れないなら取れない、というべき。ほんとのことはいわずに放置しておけばいいと考えているのか、がまんくらべをさせられている。東京に住んでいて関係ないかな、ということではない。
・リスクにリスクを重ねるような状態にあることをここに集まった人は伝えて欲しい。