ひびきあう心

2021年3月
副園長 瀬口哲夫

  大人から世話をされながら育った多くの子も、いつの間にか、自分から相手に声をかけて、自分がやってもらったように小さい子のお世話をするようになっていきます。時にはお手伝いだってしようとします。出来ることが増えて嬉しそうですが、一方では、自分の思うようにならないことも増えていきます。不機嫌になり、周囲に八つ当たりする子もでてきます。「自分でやる!」と言ったかと思うと、「やってやって!」と愚図ります。成長が順調である証しと言われても、親は困り不安になってしまいます。しかし、決まったリズムで毎日を過ごしていけば、時期は子どもによって異なりますが、そこは必ず過ぎ去ります。友だちに徐々に働きかけるようになったり、怖がっていたことも、そっとやってみようとするようになります。焦ることはありません。そうこうするうちに、ヤッター!出来た!すご~い!と自分でも思える体験が増えることで自信がついていきます。友だちが自分に何を求めているかが分かり、自分のやりたいこと、やりたくないことを言葉で伝えられるようになると、穏やかな時間も増え、最終的に、親や先生といるより'友だちといるほうが楽しい'と思えるようになります。友だちとの遊びを繰り返した子どもは、出来ないことや困ったことが起きても、自分の力で何とかしようとし、諦めない子に育ちます。人間は、「自分で、いい方向に変わっていきたい」という思いを誰しも持っていると信じています。子どもも同じです。その子その子のペースで、その思いを遂げていってくれれば良いと思います。周囲にいる私たちは、どんな場面に出会っても、焦らず、"子どもは、必ず良い方向を見つけ出す。まさに今、その力を育んでいるのだ"と信じて、待ち、見守っていきましょう。