ひびきあう心

2020年1月

副園長 瀬口哲夫

  テレビドラマを見ていたら、良い言葉に出会いました。3つの「あ」です。「あわてない・あせらない・あきらめない」。人は何歳になっても、思わぬことが突然起こります。びっくりして、あわててなにかを変えて解決しようと大騒ぎ。挙句の果てに何も変わらず諦める。じっくり、ゆっくり時を待とうとはしない。そして忘れる。その繰り返しです。最近、情報を手に入れやすくなったのは良いのですが、情報が多すぎて何が正しいのかはっきりしません。この社会は、黒に近い灰色と白に近い灰色で出来ているのに、今すぐ白黒つけろと迫られる。白、黒を主張する人同士の争いに巻き込まれる。間違ったら大変という不安で疲れてしまいます。子どものことも一緒です。迷うことばかりです。'この忙しい時にどうしてこんなことをするのという苛立ちや焦り'から'子どもを時代に対応できるように育てるにはどうしたらよいか'まで悩みは尽きません。子どもにあれこれやらせて、大人の思うようにならないとイライラするより、子どもは子どもの世界を、大人は自分の今を精一杯生き、楽しみを見つけようとすればよいと思います。今年は東京オリンピックの年。大人たちが夢中になる姿を見てスポーツの魅力を知り、実際に活躍する障害者の方々を見て、多くの国、多様な人を知り、自分も何かやってみたい、こんな大人になりたいと夢を膨らます子も出てくることでしょう。
  東京新聞にこんな記事が出ました。「忙しさの中で、親は子どもの100%味方になるのは難しい。子どものやりたいことに十分つき合うことなんか出来ません」と言われるのは、骨折しやすい障害で電動椅子を使いながら仕事や子育てに奮闘されている伊是名夏子さん。彼女の今年の目標の一つは「子どもの味方になって、子どもが安心して甘えられる人を増やしたい。そんな人が一人でも多く見つけたい。」だそうです。"子育て"や"社会づくり"を誰かと補い合いながらやっていくことで生まれる笑顔、優しさこそ大切にしたいものです。それぞれの人の'驚きや楽しさ''辛さや悔しさ'そして'優しさ'は、どんな時代が来ても変わらないはず。そこに生まれる経験や考え方は、人を大きくしていきます。どんなことが起きても、相談したり、協力を求めたりしながら、人と繋がって支え合いながら生きていけます。なんだかんだ言いながらも、だれかと一緒に過ごした日々の積み重ねが、すべての人にとって「いろいろあるけど生きるってなかなかいいものだ」という安心感が、その人の幸せに繋がりますようにと祈ります。