2026年度4月園だより

2026年度  園だより4月号  

 新しい一歩

園長  清田 悦子

 「園長せんせい、はい、これあげる!」駆け寄ってきた3歳みどり組さんの小さな手のひらいっぱいに、桜のはなびら。「わぁ、ありがとう!春のプレゼントね!」今、まきばの庭はいのちの息吹に満ち溢れています。雨上がりの朝、木々が一斉にみずみずしい若葉を広げ、柔らかな陽射しと春風の中に、喜びの声をあげて子どもたちが飛び出していきます。

 春は別れと出会いの季節。数日前、たから組19人の子どもたちが新たな一歩を踏み出していくのを眩しい思いで見送りました。「大きくなったらまきばの先生になるからね」と、はにかみながら教えてくれた夢。「二人目の子どもが卒園する今日まで10年間、ここは私が深呼吸できる場所でした」と伝えて下さった保護者の方の涙。心の奥深くに残る温かいことばが、私たちを次の歩みへと押し出してくれます。

 そして4月1日、新たに19人の子どもたちとそのご家族をお迎えしました。この子どもたちの人生の最初の物語を描く場所として「まきば」と出会ったことは偶然ではないと思っています。子どもたち一人ひとりのこれからに、どんなとっておきの物語が始まるのでしょう。  

 入園したばかりの子どもたちも、進級して新しい先生やお友だちとの出会いにドキドキしている子どもたちも、泣いて自分の気持ちを伝える日があると思います。でも、大丈夫。心と身体いっぱいに表すどんな気持ちも、穏やかに受け止めてくれる先生がそばにいます。そっと手をつないだり、おどけて笑わせてくれる優しいお兄さんお姉さんやお友だちがいます。ここが「安心できる自分の居場所」だと分かるまで、一人ひとりに「必要な時間」があります。急がなくていいのです。涙が乾いて笑顔に変わる瞬間を積み重ねて、いっしょに歩んでいけたらと思っています。

  仕事をしながら子どもを育てていくという選択は、決して平坦な道ではありません。子どもが可愛いくて、子育てに誠実に向き合いたいと思うほど、しんどいなぁ、と思う日もあるでしょう。ぐずる子どもをなんとかなだめて保育園に向かい、一日の仕事を終えて大急ぎで夕方のお迎え。さぁスイッチを切り替えて、子どもが幸せな眠りにつくまで、もうひと踏ん張り。お母さん、お父さんたちの家路へのうしろ姿を見送りながら、毎日、心の中で精一杯のエールを送っています。  子どもたちがやがて兄弟姉妹のようにつながっていくように、お母さん、お父さんたち同士も、ここで「今日はつかれた~」「お互いおつかれさま、ですね」と、肩の荷をちょっとおろして労いあい、子どもと過ごすかけがえのない日々の苦労も喜びも分かち合えるような場所になれたらと願っています。

 始まりの季節、新しい一歩。子どもたちと手をたずさえて、どうぞご一緒に。これからも健やかに、どうぞよろしくお願いいたします。