園だより

 

 

「まきばのかぜ」

2022年11月
園長 大沢千佳子

幼 な じ み

 鰯雲、すじ雲。秋の雲は面白い。澄んだ空気と天から落ちてくる陽の光が心地いい。秋空がきわまる11月。

 先月から『まきば』を訪れる人たちが続いています。園見学は毎日のようにありました。「山のふもとにある保育園で育ったので『まきば』のように大きな木のある広い園庭で自由に遊んだ記憶があります。本当に楽しかったんですよ。この子もここで思いっきり遊び育っていけたらいいのにと思いますが。。」幼子の背中を優しくトントンとしながら、木々を見上げるお父さん。きっと遠い日の思い出がよみがえっているのでしょう。皆さんの中にも、同じように願い、叶った方もいらっしゃるのではないでしょうか。再会ができますように、心の中でそっと願いました。

 丁度お迎えの時間帯に重なり訪れたのは、小学生や中学生になった卒園生達、そして保護者の方々。10周年記念Tシャツの受け取りのための来園です。卒園生達は園庭で子ども達と一緒に氷鬼やサッカーをして遊んでくれたのですが、在園生、先生、卒園生が気心知れた仲間のように遊ぶ姿は微笑ましく、この園庭には人の心をほぐし、お互いをあっという間につなげてしまう不思議な力が宿っている、そんな気がしました。コロナ禍でリユニオン(同窓会)が開けずしばらく会っていなかったみんな。背丈も伸び、当時の面影をその瞳に残し、ちょっぴりはにかみながらもきちんと丁寧語を使って挨拶をする。その子のまきばでの姿が思い出され、その成長に胸が熱くなります。

 わたしが育った時代にはあちこちに路地があって年齢差のある子ども達が一緒に遊んでいました。年長の子どもがリーダーで頼りがいのある存在でした。情があって、泣き虫だった私にもその居場所はきちんともらえていました。けんかもあったけれど、仲直りまで含めて子ども達で解決したのです。まきばの異年齢保育はまさにそのイメージと重なるのです。卒園生が言います。二階のホール、もっと大きいと思っていたけれど。。あの築山だいぶ低くなりましたよね。また、芝生のトラックでリレーをしたいなあ。来年の運動会には出られますか? つき組の二階建ての家の位置が変わってる!たくさんのエピソードが生まれ、一人ひとりの物語が綴られたまきばで同じ時を刻んだ幼なじみ。それぞれ通う学校が違っても、これから先歩む道は違っても、ここに戻ってきたら、一緒に過ごしたあの頃に戻れる。屈託ない笑顔で元気だった?と声をかけあう。そして、いつの間にか駆けだす。あの時のように。全力で駆け抜ける!!

 深まりゆく秋を味わいながら、どうぞお健やかにお過ごしくださいますように。