2025年度1月園だより
境を越えていく力
園長 清田悦子
「ナマステー!」園庭に、教えてもらったばかりの新しいことばが響きます。クリスマス会を終えたばかリのある日、まきばの子どもたちとインドからの留学生「アヌバワさん」との初めての出会いがありました。
まきば保育園の母体である東京YWCAのボランティア活動の中に「留学生の母親」運動があります。日本で学び生活をしている留学生と、家族の様な交流を通してつながり、言葉や文化、民族や宗教の違いを越えてともに生きる世界を築きたい、と60年余り続いている活動です。まきば保育園の子どもたちにも、世界の多様な人々と出会う機会を作れたらと考え、今回初めてコラボ企画が実現したという経緯があります。
さて、来日して4年目、子どもは大好きだけれど普段大学院では英語ばかりなので自分の日本語が通じるかな...、と緊張気味のアヌバワさんでしたが、幼児組の扉を開けたとたん、あっという間に子どもたちにとり囲まれ、息もつかせぬ質問の嵐です。どこからきたの?インド?聞いたことある!すきな食べ物は何?野菜のカレー?僕も!私も好き!と気が付くといつの間にかアヌバワさんの膝や背中に子どもたちが乗っています。
一緒に園庭に出てサッカーをしたり、インドの「手つなぎ鬼」、日本の「だるまさん転んだ」「かごめかごめ」など、汗だくで1時間も遊ぶと、もうすっかり子どもたちの中に溶け込んでいました。そのあと、たから組の子どもたちは地球儀を回しながら、アヌバワさんが訪れたことがあるという世界の国々の話を興味津々に聞いていました。
私たちはともすると多様な人々と自分との「違い」を「壁」として捉えて構えがちですが、子どもたちはなんと自然に「違い」を受け止め、楽しみながら繋がっていけるのでしょう。アヌバワさんは帰りがけに「本当に来て良かった。子どもたちに国境はないんですね」としみじみと語っていかれました。
日本だけでなく多くの国々で「自国ファースト」との排外的な主張が聞かれる硬直した時代に、子どもたちの「境を越えていく力」こそ「柔らかに繋がる世界」への希望となっていくと感じられた一日でした。 新しい一年も、子どもたちとともに、保護者の皆様ともご一緒に、歩んでいけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。