園だより

 

 

「まきばのかぜ」2024年7月

日々変化し続ける子どもたちのために

      園長 瀬口哲夫

 子どもたちは日々育ち、そのニーズも変化し続けています。子ども一人ひとりの存在を大切にするための職員間の話し合いは不可欠ですが、目まぐるしく過ぎていく日々の中で職員同士が互いの意見をじっくりと聞き、話し合うことは時間的に難しいと感じています。保育中に出会った発見や学びを伝え合い、時には悩みを出し合うことで、「職員も共に考え、共に育ちあう保育園」を目指したいと考えています。今年も6月16日日曜日に行いました全園研修会のご報告をします。

 毎年この時期、まきば保育園では全園研修を行います。参加する全ての職員が、経験年数や専門性、常勤、非常勤、乳児、幼児担当の枠を越えて子どもたちについて語り合い、自らの保育を振り返る一日です。日々の保育の中では、子どもたちが見せる姿に驚きや喜びを感じる瞬間とともに、子どもの気持ちをどう捉え、保育者としてどう応えたらよいのか迷う場面もあります。

 例えば、大人から見て「困ったな」と思う行動についての話し合いは、子どもはこのときどんなことを感じているんだろう、何を伝えたいんだろう、と思いを巡らすことがスタートラインです。感覚がとても敏感で、ザワザワした環境に困っているのかも?自分の気持ちを言葉や態度で伝えられているかな?生活リズムや体調、お家での様子はどうだった? もっと甘えたいのかな。もっともっと挑戦したいのかも。お友達との関わりはどんな風に変わってきている?0歳、1歳のときから変わらず好きなこと、幼児になって変わってきたことは?・・・等々、様々な視点から意見を出し合うことを通して、一人ひとりの子どもを見る目が柔らかく、豊かになっていくように感じました。

 そして、子どもの気持ちへの応え方、子ども同士の関わりを見守る方法も、子どもの数、保育士の数だけあって、語り合うことが保育をより深めていくのだと思います。

 また、この研修では、まきばで大切にしている「食」についても話し合いました。アレルギーや誤嚥による事故の可能性などを常に意識し、子どもの命を守ることに最大の注意を払うことを共通理解としながら、「子どもは食卓の空気もいっしょに食べて育つ。みんなで食べることって楽しいね!と思える毎日にしたい」という言葉を心に深く留めました。

 さまざまな子どものエピソードについて、いくつかの小グループに分かれて話し合った研修でしたが、最後に浮かび上がったのは「まきばをどんな子どもも安心できる場所にしたい」という共通する思いです。

 言葉にならない子どもの気持ちや小さな発信も、ちゃんと受け止めたい。その子がその子らしく生きていくことを応援したい。転んだって泣いたって、けんかしたっていい。転んでも自分で立ち上がる力、失敗しても乗り越えていく力、けんかしても自分たちで解決していく力がどの子どもにも備わっていることを信じて、子どもの傍らで、笑顔で見守る保育者でありたい。そんな思いを互いに確かめ合ったひとときが、まきばの明日を作っていくのだと感じています。(園長補佐 清田悦子)