とうきょうすくわくプログラム
東京YWCAまきば保育園 2025年度テーマ「自然の中で育つ」
1.活動テーマについて
まきば保育園は園庭が四季折々の豊かな自然に恵まれており、泥や草花、虫等に触れながら子どもがそれぞれ自分の興味関心のあることに熱中して遊ぶ姿があります。園では子どもが自分の遊びを主体的に選ぶことを尊重する保育を行っています。
今年度、まきば保育園では、「自然の中で育つ」という大きなテーマで、特に園庭での子どもたちの遊び、探求の様子をとらえ、興味関心が広がり、深まるようなきっかけづくりができたらと考え「とうきょうすくわくプログラム」をすすめました。季節によって大きく4つのテーマに分けてさまざまな遊びを楽しむ子どもの姿を捉えて、報告致します。
2. 活動スケジュール (2025年5月~2026年3月)
①.「出会う」小さな生き物との出会い(5~9月)
②.「育む」サツマイモ・夏野菜の畑づくり・栽培(5~7月・10月)
③.「試す」アサガオ・コスモスの色水作り(7~9月)
④.「広げる」好奇心・遊びの広がり(野菜の収穫・焼き芋・落ち葉や草花の遊び)(7~11月)
3. 活動内容(探求活動の実践)
①「出会う」小さな生き物との出会い(生き物観察)
〇 5月、葉の裏にテントウムシを見つけたお友だち。手に乗せて発見を喜びながら虫に親しんでいました。土を掘れば、コガネムシの幼虫・ダンゴムシ、草の根本にはバッタ、それを食べにくるカナヘビとたくさんの小さな生き物との出会いがありました。
少し進んで、6月末。地面に落ちているセミの幼虫を見つけたお友だちが、「羽が出てきてる!」 「こいつ、羽化しそう!」と大騒ぎ。絵本で得た知識の元、木の枝にくっつけてバケツに入れ、暗くして観察しました。翌日、いつの間にかいなくなっていました。「無事飛べていたいいね。」滅多にできない貴重な体験でした! 生き物との出会いを通して、その不思議さや尊さを感じながら、人との繋がりも広がっています。
②「育む」
◎畑づくり
昨年度使用した小さな畑を今年度は少し拡大して耕しました。普段は入れない場所への特別感を感じながら、大きなシャベルやスコップを使って、土を掘ったり、石をどかしたりと土をならしていくと、大きなミミズを見つけて大興奮! 畑の準備が整ったところで、何を植えたいか、どんな苗があるのか、見に行くことになりました。
◎苗の購入(JAにいってみよう)・植える
クラスで育てたい作物の話をした後に、クラスを代表して年長児が保育者とともに近くのJAに野菜の苗を買いにいきました。「どんな苗があるかな?」 トマト、エダマメ、ナス、シソは苗で、オクラとキュウリは種で購入。 「オクラとキュウリの種はじめて見た!!」と実は普段も 見ているはずですが、種だけになっていると別物のよう。 種から育てるのは初挑戦です。「どんな風に育つかな?」 日々、水を撒いたり、「もう食べられる?」と観察しながら、実りを待ちました。
◎野菜収穫・「味わってみよう」(しそふりかけづくり)
観察していましたが、中々実らず「まだ?」「早く食べたいのに」と話しながらも水を撒いていたところ、いつの間にか花が咲き、実がついていました。トマトは待ちきれずに青い状態で収穫してしまったお友だちも。「青くても食べられるの?」という疑問が。絵本をみたところ、赤くなった時がおいしいということがわかり、残った実を大切にしながら、ついに収穫!少しの量でしたが、一口ずつみんなでわけあって食べました。「おいしい」「もっと食べたい!」「なんか変な味」と感想を伝えあいながら、味わっていました。しそは、昨年度好評だったしそふりかけにすることにしました。葉物野菜が苦手な子も味わっていました。
③試す~アサガオ・コスモスなどの草花の色水作り
梅雨前に植えた朝顔の花が暑さでなかなか咲かなかったのですが、夏の終わりに開花。 花びらを水に入れる姿があったので、すり鉢とすりこ木を使ってつぶしてみることを保育者が提案。つぶしたものに水を加えると、色水の完成!「ピンク(の花)からも青みたいな色になった!」と水の量やつぶし加減で色が変わることを発見していました。幼児の遊びに乳児も興味津々! 教えてもらいながら一緒につくっていました。 草の葉や他の花びらでも挑戦していました。あまり色が出ないものもあり、それもまた発見でした。
④広げる・つながる ~五感を使う・想像と創造
◎芋ほり・焼き芋
〇 猛暑中はなかなかお世話ができなかった芋の苗ですが、出来るときに水をまき、挿し葉を続けたところ、一画全て芋づるだらけに。5月植えた時から「もう食べられる?」と聞いていたお友だち。やっと掘れることを伝えると、「楽しみ過ぎる!」とカウントダウンがスタート。そしていよいよ掘る時に。まずは余計な芋づるを引っ張ります。すると・・・ 洗って、焼き芋にできるよう乾かします。 後日、庭の木の枝や葉、不要の板を燃やして焚火をつくり、焼き芋をしました。 普段あまり目にしない大きな炎にわくわくしながらも、保育者と木を足したり、うちわで仰いだりと試行錯誤しながら、お芋を焼きます。幼児グループ全員が食べるには収穫量が足らなかったので購入した芋を足しましたが、自分たちで育てたお芋を味わい、「あついけど、おいしい」と笑顔で食べていました。
◎木の葉あそび・草花でままごとあそび
〇 秋になり、色とりどりに紅葉した葉を集めて眺めたり、色の違いに気づき、「どの色が好き?」「光に当てると色が変わるよ」と発見を伝えあう姿がありました。 葉をとっておいたところ、「だんだん茶色になる」と気づきを教えてくれました。 落ち葉を集めて、お家やベッドにしたり、リーフシャワーにしたりと遊びが広がっています。
◎「ゆずってどんな味かな?」ゆずジュースづくり
〇 夏ごろから小さな青いゆずを見つけ、「いいにおい」と大きくなることを楽しみにしていました。たまたま落ちてきたゆずをままごとに使いながら、「ゆずってすっぱいよね?」と話題になり、食べてみたい!ということでジュースを作ってみることにしました。 造園業者の方の協力のもと、収穫したゆずを絞ってお鍋に入れ、水と砂糖を足して煮立てて温かいジュースに。 「意外と固い」「種がたくさんあるね」「いいにおいがしてきた」とつくっている途中も気づきがたくさん。保育者も「色が少し黄色みたいな白見たいだね」と気づきを伝えあいました。 できあがって早速味わうと、「おいしい」「あたたかい」「ちょっと酸っぱい」「いいにおい」「ちょっと苦い」とそれぞれの感想を伝えあっていました。 この後、「もっと欲しかった」という子は、自分で柚子をしぼってジュースにしたり、色水をつくってジュース屋さんごっこに発展していました。後日、この日味わえなかったお友だちの為に、今度は「夏みかんジュースづくり」。 さらに皮が固く、絞るのに一苦労。ジュースの色の違いや味の違い(「ちょっとにがい・・・」)を伝えあっていました。
◎ダムから足湯へ(穴掘り遊び)
〇 年長児がはじめた穴掘り。どこまで掘れるか、協力しながら掘り進めたところ、自分たちの体半分まで到達。掘ることに満足すると、「ダムになりそう!」と一人の子が提案し、水路もつくって水を流すことになりました。 見事、水が流れて溜まると、「温泉になりそうじゃない?」「入ってみたい」ということで、足湯に変身。「泥が入らないようにビニールシート敷いて」と保育者に伝え、みんなでシートを敷きましたが、桶でお湯を入れたら結局泥湯になってしまいました。ゆずを入れて、雰囲気を味わっていました。 ダムから足湯になるなんて、子どもの発想の豊かさに改めて驚いた遊びでした!
4.振り返り
毎日遊んでいる園庭ですが、その日、その瞬間の出会いに、発見に、気づきにこころ踊る子どもたち。思いもよらないところで虫を見つけたり、「ぼくしか知らない!」という種のようなものを見つけたり、見たことないもの、不思議なもの、「きれい」と思うものに出会い、それを人と共有することで、さらに世界が広がっていきます。 やがてそれは思い出となり、経験となって次につながっていくのだと思います。特に年長児は、経験したことを遊びの中で再現したり、生かすことで新たな遊びに挑戦し、その姿を年少・年中児に見せてくれています。 画面上で見たり、聞いたりしやすくなった現代ですが、「百聞は一見に如かず」。実際に見て、触れて、聞いて、嗅いで、様々なことを試してみないとわからないことが沢山あることを知るきっかけとなるよう、保育を展開してきました。
今回すくわくプログラムに参加することで、よりねらいや学んでいる様子を丁寧に振り返ることができ、保護者とも共有することができました。 今後も子どもたちの好奇心・探求心を満たし、豊かな感性と学びの場となるよう、園外の人との繋がり・手を借りながら、より一層魅力ある園庭、自然とつながる活動・環境を整えていきたいと思います。また、安全面、衛生面についての課題にも取り組み、より安心して子どもたちがいきいきと活動できるように努力していきたいと思います。