2025年度10月園だより
「ふれあう・わかちあう」秋の一日
園長 清田 悦子
記録的な猛暑の夏もようやく終わりを迎え、子どもたちを夢中にした蝉たちの鳴き声も、いつのまにか涼やかな虫の音にバトンを渡したようです。もっと外で遊びたい子どもたちに「暑いからお部屋に入ろうね」と声をかけざるを得なかった季節が過ぎて、今まきばの庭では、こころゆくまで虫をおいかけたり、泥あそびをしたり、ハイハイで築山登りに挑戦したり、広い芝生や木陰を駆け回ったりして遊びこむ子どもたちの姿があります。
まもなくまきばの「うんどうかい」。この行事の呼び名をどうするかについては、昨年から職員間で話し合いを重ね、今年は呼び名を「うんどうかい」のままに、大切にしている願いは乳児組・幼児組それぞれがサブタイトルに込めました。
大人の多くが過去に経験してきた運動会は、先生の号令に合わせて子どもが「きちんと」整列し、「みんなで一つに」「力をあわせてがんばる」というような価値観のもと、本番に向けて繰り返し練習を重ねるようなイメージがあるでしょう。 でも、まきばの「うんどうかい」は、保育園という遊びと生活の場で、子どもたちが日々楽しんでいる遊びの延長線上にあり、披露するために練習するような行事ではありません。
その意味で、乳児組では「まきばファミリーデー・家族といっしょにふれあい遊びを楽しむ日」としました。這う・立つ・歩く・走る・くぐる・登る・ひっぱる・跳ぶ・転がる・踊る・歌う等々、子どもが日々楽しんでいる遊びを、おうちの方にも一緒に子どもとたくさんふれあいながら楽しんでいただきたいという願いを込めました。
幼児組では「わかち合う~一人ひとりのストーリーを大切に」としました。プログラムの内容は子どもたちと先生で話し合って決めましたが、参加の仕方は子ども一人ひとり違ってよいのです。かけっこが好きな子もいれば、ゴールテープを持ちたい子、玉入れを究める子、年下の友だちのサポートをする子、歌や踊りが大好きな子、手作り楽器を演奏する子...普段の日のあそびを子ども自身が選ぶように、「うんどうかい」にも子ども自身がその子らしい参加の仕方を選び、その場の楽しさを皆で分かち合いたい...そんな願いをサブタイトルに込めています。
親子でTシャツを作って頂いたり、「"うんどうかいごっこ"ってどんなことするの?」などとお話をしながら、ぜひご家庭でも「うんどうかい」までのプロセスをご一緒に楽しんでください。 「うんどうかい」当日には、普段と違ってたくさんのご家族が子どもたちを囲み、マイクを通した大きな音や、ざわざわした空気に緊張する子どもたちもいます。本番にできたか、できなかったか、が大切なのではなく、それまでに経験した「嬉しい」「悔しい」「ドキドキ」「ワクワク」「挑戦」「失敗」のすべてを「自分の物語」として書き加え、ぐっと大きく成長していく子どもたちを見守り、やさしいエールを送って頂ければと思います。