園だより

「まきばのかぜ」

2018年9月

園長 大沢千佳子 

まきばリユニオンに込めた思い


酷暑が続いた今年の夏。
八月最後の日曜日、第一回まきばリユニオン(同窓会)が開かれました。
園庭には奥多摩の竹で仕上げた流しそうめんの舞台、各クラスには、まきば時代夢中になって遊んでいた段ボール、ラキュ―、折り紙、カプラ、絵本、図鑑等々、ひとり一人を思い浮かべながら準備し、子ども達の登場を、胸の高鳴りを感じながら待っていました。
 やがて、次々と姿を見せた卒園生たち。その照れくささや面映ゆさが入り混じった表情が笑顔に変わり、再会を喜び遊びあう姿に変わっていくまで長くはかかりませんでした。過ぎ去った時間を超えて、あの時の自分に戻った子どもたち。選んだ遊びも、共に遊ぶ友だちもあの時と同じ。送り迎えに来て下さったお母さんやお父さんは、お互いに近況を伝えあい、私たちには子どもたちの『今』を伝えて下さいました。
子どもたちを子どもの世界に戻してあげたい。
ここが、いつでも帰ってきていい場所だと伝えたい。
再び出会い、まきばの卒園生としてひとつになれることが、どれほど素敵なことなのか感じてもらいたい。
幼かった日々まきばで過ごしたことを、皆の心の中に記しておいて。
幾つもの思いを込めて計画したリユニオンの三時間はあっという間に過ぎ、『また会おうね。』と名残を惜しみつつその幕を閉じました。

「学校」での時間の刻み方は、「まきば」のそれとは違う。先生の姿も多分違っている。違いは間違いなくあります。ですから、入学してからの毎日の中で、戸惑いや居心地の定まらない不安定さを感じる子どもたちがいることは想像に難しくありません。
「まきば」では、自分が感じ、考えたことが大切にされ、何かを決めるのは自分自身。大人は子ども自身の気づきを喜び、困ったことがあったら一緒に考えることを大事にしてきました。一緒に泣き笑い、人が生きる上で大事なことを生活の一場面一場面で伝えていきました。大人の立ち位置は小学校にあがってからも変わらずにあってほしい。子どもの真の幸せのために、保育者や教師はどうあるべきかを常に考えていきたい。子どもの尊厳と自由が大事にされ、保育や教育を通して大切なことを学んでいくことのできる世界にその子を棲まわせてあげる責任が私たちにはあると、今あらためて強く思っています。

蝉しぐれの消えた園庭に虫の声が聞こえ始めた夕暮れ時、お母さん達が足をはやめながらお迎えにやってきます。保育園の一日の終わりの変わることのない風景。このさりげない日常の風景を心に記しておきたいと思います。
今日も一日お疲れさまでした。明日もいい日になりますように。
被災地の一日も早い復興を祈りつつ。

◆バックナンバー
2018年8月号 まきば保育園 園だより.pdf
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