園だより

「まきばのかぜ」

2018年1月

副園長 瀬口哲夫

愛すべき日々のなかで

 保育士が様々な紙を組み合わせて飛行機の模型作りをはじめると「何をつくっているの?」と子どもたちが集まってきます。保育士を真似て作りはじめる子(気づき・創作意欲)、思うように作れずに癇癪を起こす子(意欲・感情制御)、じっと見ている子(学習)、ひたすら保育士に作ってほしいと要求し続ける子(依存・信頼)、友だちへアドバイスだけして自分は作らない子(態度・言葉)、いつのまにか恐竜づくりになってしまう子(連想・工夫)。素晴らしいものが出来たと思ったのに友だちから「それは飛行機じゃない」と言われて落ち込む子(自己評価と他者評価)。工夫を重ねて数日間興味が続く子(集中力・持続力)、まったく飛行機づくりには興味を示さず外へ飛び出していく子(興味・関心)など子どもたちの姿は実に様々です。我が子のそんな姿を見て、皆と一緒に遊べないのが心配。ちゃんと先生の話を聞いて作れるようになるのかが不安。このままで大丈夫なのかと様々な思いが湧いてくる方もいらっしゃるでしょうが、子ども一人ひとりの興味関心は違うし、明日は、半年後は、一年後は違う姿を見せてくれると保育士は分かっているので、今、それぞれの子どもに必要な働きかけが違うことも、将来のためにと焦る必要がないことも分かっているのです。
 また、保育園という場所は、互いに共感し、共鳴し合う心〈ひびきあう心〉を持った先生や友だちの中で子どもが自ら育つ場所です。楽しいだけでなく、友だちとの諍いや先生から叱られることもあり、悔しいことや悲しいこともあります。自分のやりたいことができずに苛立って泣き叫んだり、遊びたい玩具を自分のものに出来ずにケンカになることもあり、話し合いで上手く解決できずに威嚇して、大声を出したり手が出てしまうこともあります。そうかと思うと、お友だちの関心を向けさせるためにふざけ過ぎて怪我をしてしまうこともあります。子どもたちはそうした出来事の中で自分の気持ちに気づき、自分の思いを言葉にすることが出来るようになり、友だちにも自分と違う考えや気持ちがあることが分かっていきます
それでも、'お友だちが待っていてくれる場所''明日になれば、大好きな先生がきっと笑顔で迎えてくれて、温かい気づかいをしてくれる場所''出来なくても、出来るようになったことを喜んでくれる仲間がいてくれる場所'なのです。そうした愛すべき日々が子どもの育ちを促すということを、私たちは'子どもの姿'から学んできたのです。子どもが、何を、いつまでに達成していけるようにと声を荒げたり、将来のためにと知識やテクニックを無理に詰め込んでいくより、「子どもの傍にいる保育士が、一人ひとりの声に丁寧に応える」「子どもが求めていることに気づき、魅力的な環境を作り出す」ことが大切だと思っています。

 2018年の始まりにあたり、保護者の皆様と共に子どもの幸せを願いながら"子どもにとっての魅力的な保育園づくり"をしていきたいと思います。今年も、よろしくお願いいたします。

◆バックナンバー 

2017年12月号 東京YWCAまきば保育園 園だより.pdf