園だより

2017年6月
園長 大沢千佳子

『ちゃんと、いきていってください。』

「まきば」の生活の中で何度かブームになるのが『手紙』。
子ども達から届けられる微笑ましい贈り物に私達も返事を書きます。『お返し』の絵本のあのフレーズの通り、おかえしのおかえしが始まり、気が付くとふっと終わっているのです。
幼い手で描いた絵や象形文字(?)や鏡文字の入った大きな文字、先生の代筆もありますが、どの手紙からも、人を想う優しさが伝わってきます。
子どもたちとの手紙のやりとりは、まさに対話なのです。

保育園で刻まれる時間は、子どもたちとの対話の時間と言えるのではないでしょうか。言葉が生まれる前の子どもであってもそのまなざしから伝わるものがあり、微かに聞こえる言葉にならない言葉に耳を澄ますと対話が生まれます。少し大きくなった子どもとは、お互いの言葉を手掛かりに行間の思いを掬いながら時間を共にしていきます。
しゃべりすぎず、先を急がず子どもの一言ひとことを黙って聴く。実はこれはとても難しいことです。弱き守るべき存在の前ではどうしても教育的思考が頭をもたげ、こうあってほしい、これをわからせたいとの思いが先行し、余計な言葉が出てしまうのです。
対話とは、教え教えられる関係ではなく、同じ重さを持つ人間同士の中で生まれるもの。
子どもを一人の人間として見ることができて初めて生まれるものなのでしょう。

『えんちょうせんせいとせぐちせんせいへ
       おげんきですか?ちゃんといきていってください』
予想だにしなかった直球ストライクのメッセージ。私も子ども扱いをせずに真っ直ぐに。 
『たから組のピアニストH君、お手紙ありがとう。人生が差しだすいくつもの問い。その一つ一つにきちんと向き合う。それがちゃんと生きるということだと先生は考えます。そういう風に生きていきたいと思います。バッハ名人になりたいという夢に向かってH君が元気に幸せに生きていけるよう、ずっとずっと応援していますね。』

初夏を思わせるような日、
1・2歳児の子ども達と笑顔で遊ぶ秀子先生が『園長先生、卯の花が満開ですね。』と
声をかけてくれました。
5月の終わりから咲き始め、緑に映える真っ白な卯の花。
季節を告げる花は本当に美しい。

6月。暑さも増し、梅雨入りももうすぐですね。お健やかにお過ごしくださいますように。