ひびきあう心

2019年8月

一 枚 の 写 真

園長 大沢千佳子

 今、七月の「お泊り保育」の写真が一階に展示されています。
子どもたちと先生、森のボランティアの方々の姿をもうご覧になりましたか?
日々の保育の枠を越え、探求心、冒険心や仲間意識を呼び覚まし、感性が開花されていくにふさわしい環境の中、二日間を心行くまで楽しんできました。
「お泊り保育」は毎年同じ檜原村でほぼ同じ流れですすめられますが、その年その年で子どもたちが見せる姿は違っています。子どもたちが果敢に挑戦をしてドラマが生まれる年も、今年のように自分らしさを大事にしながら自然体で過ごす年もあります。一色に染め上げられないところが、『まきば』らしいと思っています。そして変わらないのは、私たちを魅了してやまない自然と「しっかりとした見守りのもと、思い出に残る二日間を過ごしてもらいたい」と願い関わるおとな全員の盤石のチームワークです。

「『まきば』には、ほんものがある」と評して下さった保護者の方がいます。まさに、お泊り保育はほんもの志向から生まれています。ほんものとは自らの手と足を使い、自分の目で見て耳で聞いて、触れてそして心で感じることでしか掴み取れないものです。
川の流れに足をすくわれそうになった瞬間の緊張の表情、沢ガニを見事につかまえた時の歓声、竹をのこぎりで切っていく真剣なまなざし。木々を越え、群青の空へと高く舞い上がり消えていく火の粉をずっと見上げたキャンプファイヤー、ヒグラシの声を聞きながら食べた夕食、みんなで入ったお風呂、みんなで寝たロフト。そこには、ほんものにふれた子ども達の姿がありました。

『良い写真というのは読むべき物語がある、写真とは見るのではなく読ませるものである。』以前読んだ本にこんな一文があり、なるほどと思いました。
一枚一枚の写真に綴られた檜原村での子ども達の物語。
皆さんにも読んでいただきたいと願っています。