ひびきあう心

2018年6月
副園長 瀬口哲夫


 "出来ることはやりたい""皆がやっていることは自分もやる"と思う一方、"やりたいのに出来ない!""止められるのが嫌!"というのも子ども。時間がない、余裕がないというお母さんにとって、この時期の子どもの'イヤイヤ'は本当に困りものです。子育ては「やりたい気持ちを育み、子どもが出来ることを増やすはずのもの」なのに、子どもの気持ちを無視して制約を多くし、「させない」「出来ない」を増やしているのではないかと、子育てに真剣なお母さんほど悩んでしまいます。
 「服や靴を選ばせ、次にやることを前もって言ってあげるようにしたけれど上手くいかず、イライラしっぱなしです。」「子どものイヤイヤパワーにヘトヘトです。このまま泣き続けられたら、虐待通報されそうで心配です。」「子どもが自分でやりたい、決めたい時期なのだから、お母さんが悪いわけでも、子どもが悪いのでもありません。'脳の問題'ですからと先生に笑いながら言われて諦めました。」「叱らない、怒らない子育てなんて出来ないから、完璧な子育てなんて無いと言われて、ちょっとホッとしました。」などの声を聞くと、何とか我慢しながら時が過ぎ去るのを待っているお母さんが多いことに気づきます。
 「夫は子どもの機嫌のいい時だけ遊んで、いい顔して、まるで'いいとこ取り'。愚図ったら私に押し付けて、『そんなに怒らなくてもいいじゃないか』なんて言うんです。『自分がなんとかしようって思ってないから言えるのよ!それなら、あなたが子どもの面倒を見てよ!』と怒鳴っちゃいました。」「夫に思い切り愚痴って、八つ当たりしちゃいました。」と言うお母さんもいます。そうです...お母さんの愚痴を聞くことは周囲の大事な役目です。愚痴を言ってでも、何としてでも今を乗り越えなければという"意地や覚悟""責任感"がお母さんにはあるのです。
 イヤイヤ期は必ず過ぎ去ります。子どもが育つまで何とか待ちましょう。子どもの'うろうろ''だらだら''ぐずぐず''気まま''中途半端''ふざけ''悪戯'を受け入れる社会は、大人にとっても優しい社会になるはずです。少しルールに寛容になり、手を抜きながら、手のかかる我が子、面倒くさい我が子に時間をかけてあげましょう。
子どもには、言葉が増え、出来ることが増え、お友だちと遊べるようになり、親から離れる時期が来ます。そして"切ないほどの親の気持ち"が分かる時が必ず来ます。今の心配はどこかへ消え去り、あの時は大変だったと笑って話せるようになります。誰かに褒めてもらえなくても、頑張っている自分に「よくやっているよね!私」と言ってあげましょう。